Oldest Array
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Oldest-1 Array deployment (2018/10/30-11/10) - Completed on 11/7


Day 10:

題 「グアム沖の日の出、旅の終わり」

例によって早朝に目覚めてしまう。朝食は、一瀬さんとHyeJeongと3人だった。後で大塚さんが加わったが、他の人は出てこなかった。昨夜は船内ルールでギリギリの00時まで盛り上がったそうなので、仕方がない。キャビンの清掃チェックが15時頃にあるので、午前中は皆が掃除を行なった。

昼食はとうとう冷麺が出た。スープに入った辛くないのとスープ無しで辛いものが選べたが、スープ無しを選んでみたが、美味であった。予定が早まったので、本来は出ないはずだったが、Seung-Sepが船長に献立変更を頼んでくれたらしい。

15:00より、R/V Onnuriの音響システムなどの装備に関するミーティングを行い、Kim Young-Jin氏から有益な情報を得た。夕食中にマリアナ海溝を越えた。明朝グアムアプラ港に入港、13:00頃には下船の予定。

歌田


Day 9:

06時頃起床。体が重く、かなり疲れが溜まっているのを感じる。それなのに目が覚めてしまうのは、歳のせいなのだろう。無理に眠らないで、眠くなったら眠るようにするのがいいのかも知れないが、バイオリズムが狂うのも困りものだ、いずれ、疲れのピークは来週の中頃になるはずだ。朝食は人が少なかった。

最後の設置点OL02には、昼食後の12:30に到着した。その30分ほど前にスコール雲に追われ、危うく追いつかれそうになった。中心に入ってしまうと雷や突風があるので厄介なことになる。一時は風速が30 ノット近くまで行ったが、最終的にはかすめる程度で済んだのは幸いであった。ここに投入するBBOBSは海半球のシリアル番号1番の由緒正しいものだ。12:40 に投入作業終了。ブリッジが2nd officerなので動きが早く、3点測距も14:40頃には終了し、グアムに向けて航走を開始した。16:00よりミーティング。本日は、竹内希氏によるレクチャー「Reading unique message from OBSs」があった。その後、下船時の手続きや送迎について説明があった。帰りの足が速いのは何処も同じで、現在の船速は15ノットである。

20:00より打ち上げパーティ。乾杯の音頭の前に短いスピーチをし、初めて jal haess-eo を使うことができた。適切だったかどうかは不明。 Ask HyeJeong.

写真
甲板作業で活躍する竹内准教授。
Oldest Cruise 集合写真。
打ち上げ。

UTADA, Hisashi




先ほど最後の点(OL02)の設置が終わり、グアムに向けて走り始めました。 日報は夜になると思います。 歌田

Day 8:

朝、気象庁のサイトを見たら、今夜の用法天気図にマーシャル諸島(東経170付近)に熱帯低気圧が発生するとのこと。ややうねりが出始めているのもその影響らしい。とはいえはるかに離れているし、うねりは船を追う形なので、特に心配はなさそう。

10:10に設置点に到着後、少し行き過ぎて地形の様子を見たが、特に大きな変化はないので予定点への設置とする。10:40頃BBOBSの投入完了。11:51 着底を確認。12:45頃、次の設置点(OL04)へ向けて航走を開始した。ややうねりが出てきており、右舷側から入っているので、ややローリングが大きくなってきた。風も30ノット(15 m/s)くらいになってきている。ただし、船速は12-13ノットと快調である。この調子で行くと、グアム到着は予定より1日早く、11月9日の昼頃になりそうな見込み。ただし、熱帯低気圧が発生したこともあるので、明日まで様子を見ることにする。

16:00 研究者ミーティング。Seung-Sep KIM 氏作成の「本航海を題材にした映画」の予告ビデオ(joke)が試写され、一同の喝采を浴びた。その後、日程の変更の可能性、グアムにおける通関申告書の提出、下船までの準備などについて説明があった。

夕方にかなりの雨が降ったらしく、後部甲板がだいぶ濡れて滑りやすくなっていた。21:00 設置点(OL04)に到着。地形を確認するために少し行きすぎてから、予定点に戻る。21:30設置作業終了。3点測距も順調にこなして、00:00に出発。あと残るは1台のみとなった。

熱帯低気圧は、我々を追いかけるように西に進んできている。明日はこの海域も波高3m程度になるという予報。この航海があと数日後ろにずれていたら悲惨なことになっていたかも知れない。

写真 OL04に格納庫内に残るのは、最後に設置するBBOBSとお持ち帰りのOBEM各1台づつ。 後部甲板がこうなるほどの雨が降ったらしい。

UTADA, Hisashi



Day 7:

01:30頃に設置点OL11に到着、行きすぎて地形を見るがほぼ平坦なので、1 nmほどで切り上げて予定点に設置することにした。01:55に設置作業開始、OBEM, BBOBSの順に投入し02:05に終了。やや東風が強い。潮は西向き。本日09時(日本時間)の波浪予報によれば、Oldest Arrayの北半分くらいの波高がやや高くなる(> 2m)見込み。我々は、これから北緯15度よりも南で行動するので、ほとんど影響は受けないだろう。

着底待ちの間に、馬場さんより1台のトランスデューサーが故障しているという報告を受けた。塩原さんや杉岡さんによると、最近OBSの業界ではいくつか同様の事例が出ているらしい。いずれもかなり年数の経ったもので、どこからか水が入ったことによるものらしい。スペアが無いので、1台は設置せずに持ち帰らざるを得ない。トランスデューサーはBBOBS・OBEM共通に使える部品なので、スペアを持つべきなのが本来の姿であろう。残念だが、今後の教訓としたい。考えてみれば他にもスペアとして携行すべきものがあるかもしれないので、一度、整理してみる必要がある。

03:11にほぼ予定通りBBOBSの着底が確認された。04:50にOBEMの着底も確認し、3点測距を終えて05:30に次の設置点(OL08)へ向けて航走を開始した。

追い潮とと追風を受けて、ほとんど13ノットで走りきり、14:30頃にOL08に到着した。ETOPO-1では地形の凸凹があるので、2.5 nm 行きすぎて地形を見る。その結果、予定点には若干の凸凹が見えるので、1マイル北に動かすことした。15:10 設置作業開始、OBEM, BBOBSの順に投入し、15:20 終了。16:32にBBOBSの着底を確認、動作も正常である。18:15にOBEMの着底確認。残りの2点での測距を行い、19:04に次の設置点(OL05)へ向けて航走を開始した。

写真
OL08の設置作業開始直前の様子。OBEMはこれが最後の1台。
食事はビュフェスタイル。キムチは毎食3〜4種類出るが、全部で何種類あるのかは不明。

UTADA, Hisashi



Day 6:

設置点OL12には、10:10に到着、そのまま 2.5 nm 行きすぎて地形を確認してから予定した座標に戻った。ETOP-1によればここはかなり地形がデコボコしていることが予想されたためだが、実際のMBESの画像を見るとほとんど平坦な海底が広がっている。これまでのサイトでは、実際の地形とETOP-1とはかなり整合的であったが、ここは例外のようだ。Seung-Sepによれば追加の地形調査をやるについては、船長と長い交渉の末やっと認められたとのこと。この程度の地形であれば敢えて調査するまでもなかったのだが、今更引く訳にも行かない。10:40ころ設置作業開始、OBEM, BBOBSの順に投入して10:50に終了。引き続き、11ノットでの地形調査を5時間実施。結局、予定点の北約10nmほどのところに標高差300m 程度の高まり(ETPO-1でもそれらしいものが見られる)があっただけで、予定点周辺は非常に平坦であるという、ETOPO-1からは想像もできない結果となった。

14:20 地形サーベイ終了。今回は時間節約のため、ドリフトにての2点測距とする。最初にBBOBSと交信したところ、傾斜計の1成分が318度という値を返した。何度やっても同じなので、通信エラーではないようだ。結局、やむなく地震計は止めてDPGだけを記録することにする。少し手間取ったため17:40までかかり、次のOL11へ向かって航走を開始した。深夜2時頃到着の見込み。

今日はCaptainの誕生日ということで、みんなで寄せ書きを送った。また、持ってきた日本酒を提供し、研究者一同からのプレゼントとして、HyeJeongが代表して贈呈した。夕食はステーキ。韓国の船の習慣として、日曜日は、ランチがヌードル(今日はものすごく辛い長崎ちゃんぽん)で、夜はがっつりステーキなのだという。体重が心配。

写真は、 0L12設置後に早くも次(OL11)の設置へ向けた整備を行うBBOBSチームと見学の学生。 OBEMは甲板下の格納庫に置いてあり、設置する順番にBoatswainが出してくれる。 今日はCaptain の誕生日。HyeJeong が研究者一同を代表して日本酒をプレゼント。

UTADA, Hisashi



Day 5:

03am 少しすぎに起床。様子を見に後部へ行くと、すでにサイトに到着していて投入スタンバイであった。ということは、途中ほとんど12ノットで走った模様。MBESも何度かテストして正常に動くことを確認したそうで、今は連続でデータが取れている。3:40ころBBOBS投入、その後学生がXBTを打つ様子を写真に収める。楽しそうだ。ここ(OL09)は地形がかなり複雑で、投入点は比較的平らな凹地形の中央付近に当たる。OBEMも設置するとなると、結構悩んだであろう周囲の地形である。BBOBSの傾斜は6度もあった。流されて凹地の斜面に着地したものとみられる。3点測距を終え、05:30に次(OL06)へ向けて出発する。到着は昼食前の見込み。OL09における作業時間は2時間であった。舷側からトランスデューサーを上げ下げしながらの測距にはかなり時間がかかると見積もっていたが、意外にもほとんど時間のロスは出ない。船の動きが機敏であるのに加えて、学生さんたちも慣れてきたこともあるのだろう。

設置点OL06到着は、11:10であった。MBESで見る限りほとんど平坦なので、予定した座標の位置に設置する。11:40設置作業終了。12:43 BBOBSの着底確認。 それにしても不思議なのは、グアム出港から今に至るまで全く生き物の姿を見ないことである。魚や哺乳類だけでなく、鳥にさえ出会わない。こういう海があるとは思わなかった。

BBOBSとの音響通信にちょっとした問題が出たが、3点での(OBEMは2点での)測距を終え、15:10に次の設置点(OL10)へ向けて航走を開始した。

16:00より研究者ミーティング。これまでほぼトラブルなしで時間の節約に務めた結果、およそ9時間の節約ができているとの説明がSeung-Sepよりなされた。馬場さんより、船をドリフトさせながら測距をすると、1点(長く伸びた線)でたくさんの測定をするだけで設置点の位置決めができることが示された。今後時間が切迫した時に使える手段である。また、馬場さんから少し時間に余裕があるので、OL12(地形が最も複雑そうな場所)周辺で5時間ほど時間をかけて地形調査をするという提案があった。多分できるでしょうとのこと。最後に、KIOSTの技術者からMBESのトラブルは解消して、すでに連続で動かしているという報告があった。

20:10にOL10に到着したが、予定座標を行きすぎて地形を確認することなしに、OBEM, BBOBSの順に投入した。20:20ころ設置作業完了。21:28 BBOBSの着底確認。23:10 にOBEMの着底も確認できた。引き続き2カ所で測距を行い、0:00少し前に次(OL11)に向けて航走を開始した。長い1日、皆さんお疲れ様!!

写真のサイズを少し大きくしてみました。
ハイドロフォンの扱いにも慣れてきた学生たち(OL06)。
OL10の設置に向け後部甲板にスタンバイしたBBOBSとOBEM。

UTADA, Hisashi



Day 4:

観測点変更:

一瀬です.海底地形の状況の関係で
1 OBEMの観測点をOL09からOL02へ
2 OL08観測点を(14°09’N 158°24’E) to (14°30’N 158°36’)に変更しました.
変更後の最新の観測点図を添付(top-right)しておきます. 

OL09の海底地形が凸凹でEMの解析に適さず周辺に平坦な地形がないため,
OL09でのOBEMの設置をキャンセルしました.
OL08は航路上20海里ほど手前に平坦地形があったので設置点を手前にずらしました.
OL02はOL09の代替です.

1amにOL03に到着。ここはBBOBSのみの設置。地形はほとんど平らなので、予定した座標の位置で投入。1:10着水、2:20に着底確認。3点測距もスムーズに進み、3:40に次の設置点0L07へ向けて出発。大きな船なのに小回りがきくことに改めて感心する。ラボに行くと、Seung-Sepより、MBESの電源が壊れたとの情報。テクニシャン2名が何かをやっており、「昼ごろまでには直る」と言っている。朝食にきていたのはワッチの学生たちと、馬場、大塚、Hyejongくらいだった。深夜作業後のため睡眠が優先なのだろう。食後に思い立って洗濯に挑戦する。全てハングルなので、適当にダイヤルをセットし、洗剤をぶち込んでスイッチを押したら洗濯が始まった。1時間と少しで終了。乾燥機も同じくハングルで示されたダイヤルを適当に選んでスタートさせた。表示では2時間20分かかるコースを選んだが、途中(2時間ほど経過)で止めて終了とした。昼食前にラボに行くと、MBESの故障はまだ直っていなかった。仕方がないので、シングルの測深儀で投入点の地形を見ることにする。最終的に電磁気の地形補正のためにはMBESデータが必要となるが、Onnuriで回収するlことになる可能性が高くなった今、搭載しているMBESの性能が気になるところ。

と考えていると、型式が違うMBESの基盤(メーカーは同じ)を使って動かせる見込みがついた。ただし、長く使うと危ないので、設置点の30分前から通過10分後までの地形データを取ることにした。ところが、OL07まで30分を切っても一向に動き出さない。やっと20分前になって画像が出てきた。概ね平坦である。15:05に設置点に到着、OBEM・BBOBSの順に投入、作業はあっという間に終了した。

写真1は、一旦はMBESを諦め測深データを見始めたSeng-Sep Kim。

16:20 にほぼ予定通りBBOBSが着底。ここで夕食時間になった。今日は、焼肉第2弾。食堂はおろか船内に匂いが充満する。18:05にはOBEMも着底。測深では6030mくらいだが、測距ではそれよりも短い距離が出ることがある。18:50 測距終了、次のOL09へ向けて航走開始。到着は、05am頃の予定。

写真2は焼肉を楽しむ Seung-Sep Kim, HyeJeong Kimほか韓国の学生たち。

UTADA, Hisashi

#MBES は Multi-Beam Echo Sounderの略。 海底地形を2次元的(船の真下だけでなく広がりを持って)にマッピングする装置。



Day 3:

I want to share this wonderful picture taken during 
last-preparation before 1st deployment.
There was rainbow and deployment was perfect (BBOBS sat on very flat place)

Kim, HyeJeong
 

朝3時に目覚める。海況は依然として良好。
ラボに降りてみると、昨夜の表示は6時到着予定となっていたのが、
8時になっていた。潮がずっと向かっていたためと思われる。

5時からOBEMの投入準備を開始、少し遅れてBBOBS班も続く。
7時前に準備完了。設置点まであと1時間あるので朝食とする。
8時にOL01に到着。手前に少し高まりがあるので、
その手前にしようかとも悩んだが、相当時間を無駄にする選択なので
もう少し様子をみると、その先には平坦な地形が待っていた。
結局、予定通りの場所に設置することに決める。
8時半投入開始。OBEM, BBOBSの順で投下(添付の写真参照)。
BBOBSはほぼ予測した時刻に着底が確認された。
その後、船を位置測定の三角形の北西頂点に移動させしばらく
ドリフトしてOBEMの着底を待つ。着底は予定より約20分遅れの11時30分頃であった。
なお、測距は持ち込みのハイドロフォンを使い、上げ下げの作業は
乗船している学生Aチームが担当した。昼食時間なので、
急いで済ませて位置測定を行う。12時38分次の点に向かって出発(ほぼ予定通り)。
次の点(OL03)の到着予定は明日の1am、設置はBBOBSのみ。
16時に研究者ミーティング。グアムの入港時間に制限があるために、
最後の設置点(OL02)を離脱する期限が11/8の午前9時という連絡が
ブリッジからあった。こちらの見積もりより6時間ほど早い期限なので、
これに対応すべく、また作業手順の省略を考える必要が出てきた。
今夜のBBOBSの投入は1時頃開始予定。ハイドロフォンは学生Bチームが担当する。

*学生はAとBの2チームに分け、4時→16時/16時→4時の24時間体制で、
観測ログをとったりサイドスキャンのゴミ取りを行なっている。
加えて設置作業にも参加するというかなりハードな内容をこなしている。

UTADA, Hisashi



Day 2:

今日はお送りすべき写真がありません。
午前と午後に分けて、BBOBSとOBEMの準備作業を行ないました。
その合間に、Seung-Sep KIMさんと、設置作業手順の細かな点について
確認を行いました。安泰の時間が切迫している一方、初めての船ということで、
各手順がどのくらい時間がかかるかもわからないので、最初の投入は
普段やっている手順をフルセット行ってみることにしました。2回目以降は、
時間がかかる手順をできる限り省略して(例えばOBEMは着底確認までで位置決めは省くなど)
全点を確実に設置できるようにアレンジし直す予定です。
ところで、サイト間の移動のスピードについて船側とこちらの希望が
乖離していたのですが、最終的に間をとって11ノットになりました。
一瀬さんの見積もりは12で行ったので、ここでまた半日くらい余計にかかる
計算になり、ますます各点での作業時間の切り詰めが不可欠になってきました。

午後4時よりミーティング。 以下のタイトルで40分ほど学生向けの話をしました。

The Oldest cruise 2018: the first deployment of the Pacific Array and its scientific target    

歌田



一瀬です.メール容量の制限は明示されていませんのでなんとも言えないですが, 不必要に大きいものは送らないという感じで大丈夫だと思います. 明日現地時間朝6時(UTC+10h)にOL01に到着の予定です.

Day 1:

14時頃出発して、概ね12ノットの巡航速度で最初の投入点(OL01)
に向かっています。16時に研究者ミーチングを行い、今後の予定などの
情報交換をしました。現地到着は明後日(11/1)の午前中の見込みです。
明日はすることがないので、学生向けに本航海の目指すところをレクチャーする
ことにしました。
夕食はいきなりの焼肉(ボヤケているのは、手ブレのせいか、煙のせいか)

歌田


On board:

先ほど Isabuに乗船しました。
早速写真を1枚(R/V Isabu @Apra harbor )添付します。

14時頃出発の予定です。

歌田