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平成12年度の研究成果

総括班

 平成12年度において総括班が実施したことをまとめると、定例の総括班会議などを除いて以下のようになる。

1)6月の地球惑星科学関連学会合同大会における「海半球シンポジウム(海半球観測研究の進展)」の準備・開催。
2)11月から始まった「フィリピン海横断長期地震・電磁気観測」の連絡調整。
3)1月の「海半球国際シンポジウム」の準備・連絡・調整及び開催。
4)1月に行われた文部省科研費特別委員会ヒアリングでの発表。

 このうち、1)から3)までの内容は前回及び今回のニュースレターで報告されているので、 ここでは4)について簡単に報告する。
 このヒアリングは、本来は5カ年計画の最終年度にあたっての総括を特別委員会に報告し、委員会としての評価を下すことを目的としている(と推測する)。しかし、 我々としてはこの機会を逃すと、 計画延長の必要性を訴える場が無くなってしまうため、本計画の素晴らしい成果と同時に計画延長の必要性をも切々と訴えた。この発表に対する委員会の反応は好意的で、その結果として1年の延長が認められることになったと判断される。なお、発表のとき用いた資料はその時点での海半球ネットワーク計画の進展状況を簡潔にまとめているのでここに図1、2、3として再録する。

図1 海半球ネットワーク建設の狙い
海半球ネットワーク
(1)地球最大のマントル下降流域である西太平洋に展開された観測網
(2)世界初の固体地球物理「総合」観測網(地震+電磁気+測地)
(3)世界初の海底と海洋島とをリンクした観測網
(4)装置開発から始まる海底観測点建設
(5)固定観測網を補完する海底長期機動観測システム
得られた新知見
(1)常時地球自由振動現象の発見(2年間にSCIENCE 2編、 NATURE 1編を  含む12編の論文を国際誌に発表)
(2)沈み込み帯におけるStagnant Slab および Mid-mantle Discontinuity の存在の提唱と確立
(3)GPSネットワークデータに基づく西太平洋プレート運動の詳細解明
(4)海底ケーブル利用の電位差測定に基づく西太平洋マントルの電気的構造の          解明
成果論文 (1996-1999)
  本計画の直接関わる論文   その他関連論文
 観測網建設

 観測システム関連

 データセンター

 データ解析

23編

24編

 7編

66編

 地質学的研究

 測地的研究

 地球電磁気的研究

 地球熱学的研究

 テクトニクス研究

44編

33編

37編

 8編

20編

延長計画支援の手紙
(1)President of International Union of Geodesy and Geophysics (IUGG)
(2)President of Internal Association of Seismology and Physics of the Earth's Interior (IASPEI)
(3)Chair of International Ocean Network Committe (ION)
(4)Chair of global scales of DEOS Committe (DEOS)
(5)Former Chair of IUGG Committe for Study of Earth Deep Interior (SEDI)
(6)Former Chair of Federation of Disital braodband Seismic Network (FDSN)
図2 海半球ネットワークの特色・途中成果・支援の手紙
図3 海半球ネットワーク建設の進捗状況と延長計画
(この時点では2年の延長を希望していたが認められたのは1年の延長であった。)

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