スラブの滞留様式が多様であるが、トモグラフィーの空間分解能には限界がありその実態は定かでない。本計画研究ではこれまでに蓄積した対象地域の地震データにロシア・フィリピン海の新データを加えて、滞留スラブの実態を明らかにする。計画研究ア・ウにより得られる観測空白域を埋める新データと既存データを用いた地震波トモグラフィーにより、カムチャツカ・千島から日本、伊豆・小笠原、マリアナにいたる西太平洋沈みこみ帯全体にわたって、スラブの滞留形状やスラブ内部の微細構造を、空間分解能100kmでイメージングする。同時に、スラブの滞留にマントル不連続面がどのように寄与しているかを明らかにするために、マントル不連続面凹凸を空間分解能300kmで詳細にマッピングするとともに、トモグラフィーの結果と併せて、滞留スラブ内外の温度異常・含水率を推定する。また、当該領域で得られる地球物理学データを管理し、当該領域参加研究者の解析に資するためのデータセンターの立ち上げ・運営をおこなう。

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