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総括班 |
平成11年度の総括班の大きな活動としては、第3回「海半球ネットワーク」シンポジウムを主催したこと、及び国際シンポジウム「GPSの地球科学への応用」を共催したことをあげることができる。
また、年度末に行われた「中間評価フォローアップのためのヒアリング」も総括班にとっては大きなイベントであった。 「海半球ネットワーク」シンポジウムは6月8日、地球惑星科学関連学会1999年合同大会共通セッションの1つとして行われ、オーラルとポスターを合わせて38の報告があった。 一方、国際シンポジウムは10月18日から22日にかけてつくば国際会議場で行われ、非常な盛況であった。このシンポジウムについて加藤照之氏に報告してもらう。 GPS国際シンポジウム報告 加藤照之(東京大学地震研究所) GPSは、海半球ネットワーク計画においては西太平洋地域のテクトニクスを明らかにするという面での成果を挙げたが、その技術は様々な地球科学の分野で爆発的な発展を遂げている。 そこで、GPSの地球科学への応用に焦点をあてた国際シンポジウムを、去る1999年10月18日〜22日に、つくば市の「つくば国際会議場」において開催した。 「GPS国際シンポジウム〜地球科学への応用〜」と題したこのシンポジウムは、「海半球研究グループ」ばかりでなく多くの学術団体や研究グループの共催を得て、極めて学際的なシンポジウムとなった。 時宜を得たと見えて、参加者総数が当初見込みを大幅に上回る366 名を数え、講演数も 300を超えた。参加国・地域は39にのぼり、日本人と外国人がほぼ同数であったため、会議の雰囲気はまさに国際シンポジウムにふさわしい国際色豊かなものとなった. |
開会式で来賓挨拶する古在由秀測地学審議会会長 |
会議は10月18日(月)の開会式とレセプションに続き、19日(火)から22日(金)まで14のセッションにわかれて行われた。海半球計画にはSession 3「宇宙測地技術によるアジア太平洋地域の地殻変動に関する新展望」 (コンビーナ:田部井隆雄、Jeff Freymueller)が関連するが、ここでは太平洋からアジアにかけて実施されている数多くのGPS観測プロジェクトの紹介があり、活発な議論が行われた。 言うまでもなく、この地域では、数多くのプレートが複雑かつ大規模に相互作用しており、内部変形も顕著である。地球ダイナミクス研究の世界でも最もおもしろい地域であり、実に多くの国際的プロジェクトが進行している。 これらのプロジェクトが相互に協力しあうことにより、この地域のテクトニクスの理解は飛躍的に進むであろうことは明らかである。このため、NASAの支援を受けたAsia-Pacific Space Geodynamics Project(APSG)も、本国際シンポジウムを交流の場と位置づけて、その全体会議とビジネスミーティングを行った。 会議では、このほか発展途上国の参加者を対象とした教育セッションや、国土地理院やつくば・鹿島の研究所見学ツアーが企画され、いずれも大好評を博した。こうして、会議は成功のうちに終幕したが、成果は平成12年度にEarth, Planets and Space誌の特集号として刊行される予定である。 本シンポジウムを契機として、新たなテクトニクスの学問的枠組みが創造されることを祈っている。 |
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