マントルに沈み込んだプレート(スラブ)は、上部・下部マントル遷移層内に一旦横たわり(スタグナントスラブ)、その後下部マントル深く落下する傾向があります。
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本領域では、沈み込むスラブが何故遷移層に横たわろうとし、その後どうして下部マントル深く落下するのか、またスラブの落下に伴って何が起こり地球史にどのような影響を与えるかを明らかにします。
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なお「スタグナントスラブ」は本領域の研究者が発見し命名した現象です。
 この目的を達成するために本領域では3つのアプローチを取ります。
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第1は海底における地震・電磁気観測とトモグラフィー解析とを組み合わせた観測アプローチです。世界トップクラスの海底観測技術を駆使してスタグナントスラブの実態と周囲のマントル環境を明らかにします。
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第2は最高輝度の放射光施設と高圧実験装置を組み合わせた実験アプローチです。世界をリードする実績を背景にスラブ滞留のメカニズムと落下の過程を物質科学の側面から明らかにします。
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第3は上記の研究成果を取り込んで世界最速コンピュータ(地球シミュレータ)を動かす計算アプローチです。数理科学の研究者と共同でマントル対流の新しいシミュレーションコードを開発しスラブの滞留と落下の地球史的な意義を明らかにします。
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 プレート運動はマントル対流のごく表層の動きに他なりません。また地球史上のグローバルイベントはマントル対流の存在を考えて初めて理解可能な現象です。スタグナントスラブは、マントル対流の浅部と深部、現在と過去の間を繋ぐ現象です。この現象解明によりマントルダイナミクスの新展開が期待されます。
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