研究項目・研究組織
本計画は「スタグナントスラブ」の概念を独自の切り込み口とし、そこに日本が世界に誇る海底地球物理観測技術と高温高圧実験技術を特色ある研究手法として持ち込み、下降流の側からマントル対流の全容に迫るアプローチを取ろうとする。このため全体を大きくイメージング分野とモデリング分野に分け、観測班で2研究項目・4計画研究、モデリング分野で2研究項目・4計画研究を設定し、併せて公募研究も設定する。

イメージング分野
  A01:地震学的イメージング
     計画研究ア:ロシア極東部広帯域地震観測による滞留スラブのイメージング
     計画研究イ:地震波トモグラフィーによる滞留スラブの高分解能イメージング
  A02:海底観測によるイメージング
     計画研究ウ:海底広帯域地震観測でスタグナントスラブを診る
     計画研究エ:海底電磁気機動観測でスタグナントスラブを診る
モデリング分野
  A03:物質科学的モデリング
     計画研究オ:スラブ沈降・滞留過程の物質科学的モデリング
     計画研究カ:スラブ滞留・崩落過程の物質科学的モデリング
  A04:計算機モデリング
     計画研究キ:マントル下降流による熱・物質輸送と地球進化過程の数値モデリング
     計画研究ク:マントル下降流に伴う滞留スラブの形成・崩落過程の数値モデリング
総括班の役割
イメージング分野の4計画研究が観測による成果を領域に持ち込む一方、モデリング分野の4計画研究は実験・数値計算による成果を領域に持ち込む。数値モデリング分野の2計画研究は観測・実験分野から領域に持ち込まれた成果を結合する役割も持つ。総括班は、領域の中でこの流れが機能するよう全体をリードし、各計画研究・公募研究の進展と連携具合を点検し、必要に応じて強いリーダーシップを発揮することを最も重要な役割とする。
研究期間
観測分野においては装置の開発・実用化は済んでいるのでそこに時間を投入することはないが、製作・調整段階に相当な日数を必要とする。また地震の発生頻度・観測対象域の広さを考慮すれば観測で有意な結果を出すには3年の観測が必要である。実験分野では高温高圧発生装置の開発・実用化は済んでいるのでそこに時間を投入することはないが、弾性波速度など物性測定装置の組み立て・高圧装置への組み込み・調整に相当な期間を要する。データ解析に最低必要な時間も考慮して研究期間を年5ヵ年に設定した。
概念図

概念図


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研究計画の概要

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