研究計画・方法 |
ロシア極東地方の深さ660km付近に滞留する千島・東北日本弧スラブを詳細に描写するために,臨時広帯域地震観測を実施する.ロシアの既存地震観測点で,広帯域地震計センサーの安定化のために必要な営繕工事をまず行なう.地震計の輸出手続等のために実際の観測開始は平成16年度後半以降とし、観測は平成20年度まで継続する.現地での地震計オペレータの訓練および研究打ち合わせを行うことが必須事項のため,ロシア人研究者および地震観測技術者招聘旅費を要求する.また,ロシアおよび国内での事務的手続きが膨大になるため,研究補助員1名を全年度雇用する.観測点設置および取得解析データ解析のため研究支援要員を2名要求する.また,実際の観測点運営は現地の地震観測所員に委託することになるため,謝金の支払いが必要となる. ロシアと共同で実施する部分に相当のウエイトがあるが,複雑な国内事情のため,ロシア側の状況にも充分配慮して計画の運用を行う必要がある。ロシア側の情勢の変化によっては計画どおりに必ずしも行かない可能性があることを強く付記しておく.ロシア側にもデータの優先使用権を付することは絶対必要条件であるが、期間の平成20年度以後は適切な形で一般に公開する. (下図参照) |
平成16年度 |
(1) 地震観測システム輸出関係申請・ロシア側共同研究機関との協定書締結. (笠原・高橋・Gorbatov) (2)サハリン北部観測点①・OKHA(北緯53度33分,東経142度49分) 設置作業(笠原・高橋・宮町). 地震計輸出,地震観測壕改修,観測システム立ち上げ. (3) 北海道内の平行観測点での観測開始(笠原・高橋). (4) サハリン中部観測点②・TMSK(北緯51度6分,142度46分) 設置作業(笠原・高橋・宮町). 地震計輸出,地震観測壕改修,観測システム立ち上げ (5) データ処理システム立ち上げ(蓬田・谷岡・吉澤・Gorbatov) |
平成17年度 |
(1)ウラジオストック観測点③・VLAD(北緯43度25分,東経132度10分) 設置作業(笠原・高橋・Gorbatov) 地震計輸出,地震観測室改修,観測システム立ち上げ. (2)ハバロフスク観測点④・KHAB(北緯48度29分,東経135度4分) 設置作業(笠原・高橋・Gorbatov) 地震計輸出・地震観測壕改修・観測システム立ち上げ. (3)サハリン地域データ回収・観測点保守(高橋). |
平成18年度 |
(1) カムチャッカ中部観測点⑤・KLUC(北緯56度18分,東経160度56分) 設置作業(笠原・高橋・宮町・Gorbatov). 地震計輸出,地震観測壕改修,観測システム立ち上げ. (2) 千島北部観測点⑥・SKRK(北緯50度40分,東経156度6分) 設置作業(笠原・高橋・宮町). (3) サハリン、カムチャッカ、大陸地域のデータ回収・観測点保守(高橋・笠原) (4) 北海道にて国際研究集会をロシア側共同研究者も含めて開催. |
平成19年度 |
(1) サハリン, カムチャッカおよび大陸地域のデータ回収・観測点保守(高橋). (2) データ 処理および解析(蓬田・谷岡・吉澤・Gorbatov) |
平成20年度 |
(1) データ処理および解析(蓬田・谷岡・吉澤・Gorbatov) (2) 観測データ回収・観測システム停止作業・現状復帰作業(笠原・高橋・Gorbatov). (3) 総括(全員,ロシア側共同研究者を含む |
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