1.南海トラフ沈み込み帯の温度構造
現在,プレート沈み込み帯については東海沖から四国沖にかけての南海トラフ海域を主な研究対象としています。これらの海域では,次の2種類の「地球熱学的」手法で観測を行っています。

(1)温度プローブを使用した熱流量測定
(2)長期温度計測
これらの観測で得られたデータを基に地下の温度構造モデルを構築する研究を行っています。この研究テーマの一つがプレート沈み込み域の地震発生帯の温度構造の推定です。この地震発生帯は流体の移動や物質収支などの観点からも注目を集めている場所であり,その温度構造は,震源域の拡がりと密接に関係するだけでなく,ここで起こるさまざまな現象の環境条件としても重要です。1999年以降,特に四国沖南海トラフにおいて重点的に観測を実施しました。この海域は1946年に発生した南海地震の震源域を含んでいます。ここで得られた詳しい熱流量分布を基に新しい温度構造モデルの構築を目指しています。



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