地面の下の温度は、地下深くへ行くにしたがって高くなっていきます。その上昇のしかたは場所によって差があり、火山活動はもちろん、地震活動なども、この地下温度分布と深く関係しています。われわれは、主に「地殻熱流量」を測定することで、地下の温度構造を調べています。なぜ温度構造を調べるのか?一般に、物質の性質(硬さなど)は温度によって変化しますが、地下の岩石も温度が高くなると壊れにくくなります。つまり、「地下深くでは、温度が高いため地震が発生しない」ということになります。この他にも、マグマの発生など、地下でおこるさまざまな現象は温度に支配されていますから、地球の中で何が起きているかを理解するためには、地下の温度構造を知ることが欠かせません。 温度構造を知るには?地下の温度構造を調べるためには、「地殻熱流量」(地下から流れ出してくる熱の量)を測定します。地殻熱流量の単位はmW/m2(1平方メートルあたり、何ミリワットの熱が出てくるか)で、この値に基づいて地下温度構造を推定します。日本列島では、プレートの沈み込みや火山活動の影響のため、熱流量は場所によって大きく変化しますが、平均的な値は60-80 mW/m2程度で、1000m2の地面から出てくる熱エネルギーの合計が60 Wの電球くらいということになります。日本列島近辺では,これまで数多くの地点で地殻熱流量の測定が行われています。海域における地殻熱流量の測定は、通常、海上の船から吊り下げた温度プローブを海底に突きさすことにより行います。陸上では、掘削孔内に温度センサーを下ろし測定します。 研究内容の紹介
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